第1話 子そだての前に読む話
新婚家庭に新しく子どもが生まれるということは、若いご夫婦の自然な営みのようでありながら、じつは難しいことです。今日いわれる親子の問題や夫婦の問題も、子育ての前に知っておけば、「こんなふうにならなかったのに」ということがたくさんあるように思われます。
子育ての前にも後にも、もっとも大切なことは、自分自身と向き合うということです。
自分を愛する深さの分、夫婦を愛し、子どもを愛することができるのだと思います。
自分のことが好きになれない人、自分の嫌いな人は、自分の中にイヤな部分が大きく存在します。
そのことに気づいたならば、自分のイヤな部分を避けないで、しかも力づくで克服しようとしないことです。
自分のイヤな部分と無理なくつきあうことを心がけるのです。ちょうど水虫とつきあうように(?)。
同時に、自分のなかの素晴らしい自分自身を見つけるのです。ここは好きといえる自分を見つけるのです。
そして、素晴らしい自分を少しずつ愛するのです。このことを毎日意識して生活するのです。
自分のことをいまさら愛するなんて、急にできることではありませんが、毎日毎日、自分自身を愛おしみ、愛の言葉をかけるのです。
人を愛するということは、とりもなおさず自分自身を愛するということです。
子育てをするということは、とりもなおさず自分を愛するということです。
自分自身を愛せる人は、ご主人を、奥さまを、そして子どもたちを正しく愛せる人ですから。
愛深い人となるには、イヤな自分と無理なくつきあい、自分のイヤな部分を赦せることです。
一生懸命に生きてきた自分を赦し、自分にも家族にも、毎日、やさしい愛の言葉が使える人になりましょう。
そうすれば、あなたに足りない知恵や能力は、きっとみんなが支えてくれるでしょう。
子どもたちは、まちがいなくすくすくと育つでしょう。
子どもを育てることは自分自身を育てること、といったら言いすぎでしょうか?
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第2話 家族の実体は夫婦です
新しい家庭をつくるにあたって、まず必要なことは、「夫婦2人の人生をどのように創るのか」これを2人で少しずつ考え、時間をかけて熟成(?)させることです。
こうした2人の人生について、ビジョンを考えるための時間が、新婚生活にはとても大切なことだと思います。2人のビジョンなどというと大げさに思われるかもしれませんが、新しく家庭を築くということは、長い人生の中でもとりわけ大切な時期であって、ここには2人で新たな人生を創ってゆくという静かな決心が求められるものと思います。
恋愛中は、2人でいっしょにいるだけでしあわせと思っていた方も、結婚して子どもができるようになりますと、意識モードの変換がはっきりと求められます。なりゆき任せの新婚生活は、いきおい子どもばかりを優先する「子育て生活」へと、すべり込んでゆく危険を含んでいます。
子どもができますと、四六時中が子育てであるかのような、子ども優先の生活が始まります。おしめの交換、4時間ごとのミルク‥これに伴って、夫婦の生活のリズムも、夫婦の会話も、夫婦の愛情の交流も、すべて子どもの方へと流されてゆきます。
子どもが産まれれば当然の生活ですが、ここで大切なことは、ご夫婦がどのような夢と希望をもって家庭生活を築いてゆくかというビジョンをもつことが必要であったということになるのです。2人のビジョンにもとづいた家族生活の方向づけ、子育てが行われるということが長い人生を考えると、とても大切なことと思われます。
今の時代、「出たとこ勝負」の夫婦生活は、リスクが大き過ぎます。
ご夫婦のビジョンとは、夫婦2人の生きがいに結びついた人生設計のことです。ご主人の仕事、奥さまの子育て、でも、こればかりが人生ではありません。仕事と子育て以外の人生の要素を2人が家庭生活にどのように組み入れるのか、これこそが大切なのだと思います。
2人だけの時間に、2人だけの人生について、お2人でゆっくりと考えてみてください。このことが、できている家庭で育つ子どもは、きっとしあわせです。 子どもは、両親の信頼しあえる姿を見て育つものだからです。
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第3話 子育ての前に夫婦あり
子どもは生まれながらにして大切なことは何かをよく知っています。なにもしないで眠っているだけの赤ちゃんですが、両親の愛情に受け答えすることや、周囲の人に愛情をふりむけることの真実を知っています。生まれたばかりの赤ちゃんが、やすらぎの心、あたたかな心を私たちに、正しく届けてくれます。
子どもが育つにつれても、同じことがいえます。みんなにものを分かち与えたり、さびしそうな人にやさしく声をかけたり‥これら人間として本当に大切なことは大人が教えなくても、幼い子どもたちはちゃんと知っています。知識ではなく、自分の心で理解しているのです。
ご夫婦が大切にすることは、当然過ぎることですが、心の交流をするということです。ご夫婦の人間関係こそが、赤ちゃんの人間形成の基礎となるわけで、子育ての根本は、夫婦2人が正しく向き合って家庭環境をつくることにあります。
子育ての前に、なかよしの夫婦あり、です。子どもには、たくさんのモノや知識を与える必要はありません。とりわけ、過剰なコトバと早くからの勉強は気をつけるようにしましょう。ご夫婦がやさしい気持ちでいること、そうすれば、自然と子どもにやさしく接しられるのですから‥。
このことを赤ちゃんが生まれる前に、夫婦2人が知っていることは、赤ちゃんにとって本当に幸せなことです。