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5.ロングライフデザイン=名前は一生もの
ロングライフデザインとは、一生ものということです。
この言葉は、デザイナーのナガオカケンメイさんによって広められました(註)。
食器類は、ロングライフデザインの代表といってよいでしょう。
その反対にあるのが、ケータイなどに代表される電化商品などの流行商品です。
私(三ッ橋)としては、食器全部がロングライフデザインであってよいと思います。家で使うグラスや茶碗やコーヒーカップがずっと同じでも、なにも不自由しないし、むしろその方が生活感覚に深みが出るような気持ちすらあります。これに対して、ケータイに代表される電化製品やシーズン限りのセーターなどは、ロングライフデザインであると少々困るわけで、ケータイにはやっぱり新しい機能や手触りがほしいし、今年の冬を感じさせる薄手のセーターなんかを休日には着ていたいという気持ちもあるわけです。
さて、私たちの一生でもっとも長い付き合いになるもの。それは、おそらく、自分の生命と名前ということになるでしょう。生命はさておき、各人の名前にはデザインがあると考えます。それぞれの名前を見て、そこから受け取る印象があるということは、ここにもデザインがあると考えるからです。
実業家の白州次郎という人は、格好いい男性の代表格ということで、昨今は書物などでもてはやされています。このお名前は「シラスジロウ」という軽快な読みと画数の少ない文字の組み合わせで、スタイリッシュなイメージを感じさせます。また、この人自身の颯爽とした生涯とも重なって、名前そのものが新しい時代を志向するような明るい印象があります。
主婦の間で人気を得ている君島十和子さんは、不思議なお名前です。十和子とは、シンプルな文字の美しさだけでなく、「トワコ」というその響きがどこか新鮮でユニークです。あるいは、古風な趣きも加味されていて品性を感じさせます。さらによく見ますと、ここには「叶う」というしあわせな文字が組み込まれているようにも感じられます。
これらのお名前をデザインの面から考えますと、道理にかなった使いやすさと、道理にかなった美しさが備わっているということです。あらゆるデザインに共通した「用と美」のバランスが、名前のデザインにも求められているのでしょう。その時代性を強く反映させた名前よりも、平凡でありながらも、いつの時代にも媚びない、新鮮な響きを放つ名前こそが親しみ深く、そして美しいのです。
こう考えますと、これから誕生する赤ちゃんのお名前は、その生涯にわたって多くの人に愛され、親しまれるものを、と願わずにはおれません。
(註): D&Department Projectでは、ロングライフデザインをコンセプトとする商品の展開・販売が行われています。